柏稲俳句会 秋季句会報告

  • 句会実施日:令和7年10月9日 (於アミュゼ柏)
  • 兼 題:「新米」または「今年米」
  • 参加者:10名

今年はお米が高騰し、令和の米騒動と言われる程です。
消費者からは大きなクレーム、政府は備蓄米を放出して何とか価格を抑えようとしたものの、その効果は果たして如何でしょうか。
生産者であるお米農家は今までが安すぎたと、現価格が適正と言う。いずれにしても、政府には生産者と消費者両者の納得のゆく価格を実現してほしいものです。

時節柄、兼題、「新米」または「今年米」の佳句が出そろいました。

米を詠む

新米ぞ香り貪る握り飯 康文

磨ぎ汁のまろき濁りや今年米 清明

新米と一言添える朝餉かな 十五

ためらひのあげくあきらむ今年米 加行

新米の香を仏前に父母に 房司

混迷の世に新米とさんま在り 安分

新米の隣に並ぶ備蓄米 ら行

新米の香にほころぶや朝の膳 起佐夫

新米の脱穀終えた兄笑顔 等閑人

新米を祝しておはぎ仏前に 宏哲

他の高得点句は次の通り

晩秋に押し出す赤の絵具かな 清明

注ぐ音の尻上がりなる新走り 清明

水澄めり高き調子の船頭歌 十五

秋立つや馬込の宿のつつら坂 ら行

籾殻の山のくすぶる苅田道 加行

入道雲老いたる身にもこころざし 安分

加行