柏稲俳句会、春季句会 講評

4月3日、アミュゼにて久方振りのにぎやかな句会であった。

一人で句作りをし、句誌に投句することよりもやはり、みんなでわいわい話し合い、批評し合う句座が楽しい場であることを実感した。

兼題が作り易く楽しい「春風」であったこともあってか多くの佳句が寄せられた。

沢山の票の入った句としては

むすびたる渦またほどく春の川 清明

錆び釘に道着の並ぶ春薄暑 十五

一本の風の形の野梅かな 房司

春風や地物自慢の鮮魚店 十五

大津絵の鬼の髭にも春の風 房司

棒鱈の海の匂ひの乾かざる 清明

また、私が特徴的で、面白いと思った佳句は

つちふるや大和の国の春霞 安分

春宵や余命さらりと笑ふ友 十五

佐保姫が訪れ子らの声高く 雅子

よちよちと歩く稚児押す春の風 起佐夫

春風や八十路の妻の長電話 房司

一つ落ち一つが追ひぬ白椿 清明

波音と月の光に眠れぬ夜 晃子

宇佐見房司