柏稲俳句会「冬・新年句会」

柏稲俳句会、「冬・新年句会」講評

1月25日、冬・新年句会が開かれた。新会員の村石起佐夫さんをはじめ13名参加、(1名は事前投句での参加)で、「セーター」、「初夢」を兼題として多彩な句が出され、大いに楽しんだ。

最も多くの七票が入った句は

初夢に多少の嘘を足しにけり / 清明

初夢の話は楽しくなければなりません。「多少のうそ」というより、創作も加え初夢らしくすること、、、大賛成です。

次いで六票の句は

長けて知る七草かゆの優しさよ / 安分

子供のころは七草粥なんて美味でもなんでもなかったけれども、年齢を加えるうちに段々美味しくなりました。こうしたことの面白さ、変化を「優しさ」を知った、、と表現した点、実に秀逸ですね。

四票句が次の二句

初夢や龍にまたがり富士登山 / 起佐夫

凍蝶の紺美しく動かざる / 房司

三票句は

酒は後雑煮が先と妻指図 / 康文

大小の揃いのセーター捨てられず / 十五

誰ひとり寒しといはぬ寒さかな / 清明

初春やつい考える余命かな / ら行

二人して杖と手押しの初詣 / 湯治

土塊に覗く蕪の白さかな / 加行

大寒も南天の実は赫々と / 安分

またこんな佳句もありました

セーターのぬくもり嬉し冬の朝 / 晃子

時刻む音冴え渡る冬の夜半 / 雅子

新年の誓いしたため首かしぐ / 等閑人

大掃除終え妻と一献あらばしり / 宏哲

句会後、蕎麦屋で軽く会食し、近況報告や俳句談義で大いに盛り上がり楽しい一時であった。

宇佐見房司