柏が誇る名画座『キネマ旬報シアター』

JR柏駅中央改札を出て西口の高島屋の手前の階段に、『キネマ旬報シアター』への案内板があることをご存知でしょうか?

壁に懐かしさを感じるポスターが何枚も掲示されている階段を降りて行くと、右に柏の名画座『キネマ旬報シアター』があります。

駅での案内板

階段の壁

シアター正面入口

ここは、昔からの映画ファンには馴染みの老舗の映画雑誌『キネマ旬報』(1919年7月創刊)を出版しているキネマ旬報社が運営するミニシアターで、キネマ旬報社の社員が編成したこだわりの作品が、洋邦・新旧問わず上映されています。

ミニシアターといえば、神保町にあった『岩波ホール』(2022年7月29日閉館)が有名ですが、『岩波ホール』と同様に大手のシネマコンプレックス(シネコン)では上映されないようなマイナーかつ低予算な作品や昔の名作などの秀作も観られる映画オタクにはたまらない貴重な映画館です。

2023年11月6日現在の今後の上映作品でもシニア世代には懐かしい名作の数々が予定されていて、とりあえず私はアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(1960年)にチェックを入れました。

基本的にチケット出し終了の開演30分前の直前でも席に余裕がありますので、ちょっと時間が空いたな?という時に上映スケジュールを確認して、急遽映画鑑賞をするのもありかと思います。
でも、作品によっては地元の映画マニア?が詰めかけて満席になることもあります。スクリーンは、160席/148席/136席の3スクリーンです。

チケット代は大手シネコンと変わらないですが、シニア料金、メンズデイ、レディーズデイなどの他、KINEJUNデイなどもあり、高島屋カードの提示での300円割引などの地元ならではのサービスもあります。

本日の上映作品の陳列

リクエストコーナー

シアターの楽しみ方

ところで、キネ旬シアターには、映画を鑑賞するだけでなく、数々の楽しみ方があります。

まず、入り口を入って右にKINEJUN caféがあり、映画鑑賞の前後に食べながら飲みながら、館内の映画雑誌やパンフレットを読むという楽しみ方ができます。
ドリンクバーもあり、アルコールも提供されていますが、大手シネコンの売店と違い、アルコールの充実は特筆ものです(笑)・・・メニューの写真をご覧ください。話題のクラフトビールなども飲めるようです。

KINEJUN cafe

充実のアルコール・ラインナップ

若かりしオードリー・ヘップバーンなどが飾られている階段を2階に上がると、「KINEJUN図書館」です。

ここでは「キネマ旬報」バックナンバーや映画関連図書を揃えていて、名画の特集号や、今観たばかりの名作の記事や本などが読めます。特に、ここならではの「キネマ旬報」は1950年代からぎっしりと本棚に並んでいて、時間を忘れて読み耽ってしまいます。
「友の会」の会員(年会費2,000円)になると、一部の書籍を借りることもできるようです。

2階への階段の壁

KINEJUN図書館

昔のキネマ旬報が閲覧できます

追悼ゴダール・スタッフの想いと愛

その他、名画のプログラムや上映リクエストのコーナーなどもあり、館内はスタッフの温かさを感じる手作り感で満載です。ちなみに入館は無料ですので、映画を観なくてもフラッと立ち寄ってみてください。

パンフレットコーナー

映画ファンからの寄贈

自宅のテレビやビデオ(ネット)で昔の映画を観るのも気楽ですが、たまには大きなスクリーンと良い音響で名作映画をじっくり味うのもお薦めですよ。

記:中村恭子