鎌ヶ谷の分水界(嶺)をご存じですか?

柏市のお隣の鎌ヶ谷市に分水界(嶺)があると聞いて行って来ました。

分水界(嶺)は降った雨の水が違う水系に流れる境目の場所をいいます。一般的には日本列島を北から南へ貫き、川の流れが太平洋側と日本海側に分かれる「中央分水嶺」が有名です。多くは山岳地帯に見られますが、まれに平坦な土地にもあるのです。

鎌ヶ谷市は北総台地(下総台地)でも標高20メートルから30メートルと高いところにあり、川の一番上に位置しているため、振った雨の水がこの分水界(嶺)を境に、北の手賀沼水系、東の印旛沼水系、東京湾方向へ分かれて流れていきます。

資料①

資料②

この分水界(嶺)は鎌ヶ谷市富岡二丁目と右京塚の交差点、新京成の踏切付近になります。実際に行ってみると、小高い丘になっている訳でもなく、ここが分水界(嶺)であることに気づきません。
しかし、3方向に流れる分水界(嶺)が、街中にあるのは大変珍しい様です。

分水界付近の交差点

分水界付近の新京成踏切

この交差点から徒歩数分のところにある鎌ヶ谷市生涯学習推進センター(まなびぃプラザ)前には平成24年に市民有志から寄贈された分水界(嶺)の存在を知らせるモニュメントがあり、この分水界(嶺)は雨の三叉路と名付けられています。また、同年9月には「NPO法人ふるさとICT」からあまり知られていないユニークな観光資源として「オンリーワンのまち」第一号に認定されました。

分水界のモニュメント

モニュメント雨の三叉路

鎌ヶ谷市には流れ込む川がなく、逆に川の源流地点が沢山あります。鎌ヶ谷から柏に流れて手賀沼に注ぐ大津川は、手賀沼流域の24.2%を占める手賀沼最大の流入河川です。大津川は鎌ヶ谷市の北西部のくぬぎ山5丁目付近を源流とし、最初は串崎新田水路の名称で途中において入道溜水路に入り、更に柳沢水路と合流した後大津川となります。続いて鎌ヶ谷市立北部小学校付近で長谷津水路と合流して流路の広がった大津川は流れを北へ変えます。更にその先白幡橋より一級河川となり柏市を流れ手賀沼へと向かいます。

今回、大津川の源流は分水界から遠いので、長谷津水路の源流付近を探して来ました。南初富4丁目付近を源流とする様ですが、その付近では見つからず、すぐ北の市制記念公園の西側に元は池であったらしい野原を見つけました。ここの北側から長谷津水路が流れているのが見られます。
写真の様に細い水路が集まり一級河川になって行くのが良く分かりました。

市制記念公園横の元池らしき野原

元池から流れ出す長谷津水路

ふたご橋から手賀沼河口方向を望む大津川

自然の面白さや素晴らしさを改めて感じた一日でした。

記:馬場 由彦