寸評
初夏らしい爽やかな句が揃った。
浅草寺境内で、門前の店で買った扇子を使ってみる・・・
ねじ花をじっと見詰め、結構高くねじり詰めた・・・と感嘆
一年生がすっかり落ち着いて通学する頃、桜も葉桜に・・・
と。
他にも、初夏らしく、メロンやつゆ草や青葉の句が並んだ。(※印の句群)
楽しい夏の句集となった。
天 新しき扇子の風や浅草寺 雅子
地 捩花のねぢり詰めたる高さかな 清明
人 葉桜や一年生が板につき 加行
※ 露草の青冴々と梅雨に入る 房司
※ 等分のメロン座卓に揃いけり 十五
地響きに顔見合わせるはたた神 ら行
真夏日や碁盤の足の如歩く 安分
※ 公園の青葉のにほひを持ち帰る 如水
鎮守森そうつと寄り添ふ青葉木菟 湯治
※ 暑気払い逢魔が時の場末かな 康文
城跡や青葉蒼々老大樹 宏哲
宇佐見房司